先週末は、特に出張などはなかったものの、土日両方とも夜のお付き合いがあったため、ブログが書けなかった。ということで、今回も2週間分まとめて。
5日(日)は、総務省地方債課と地方債協会主催の地方債IR訪問団が英国に到着したので、その歓迎夕食会。Strand通りのSimpson'sでロース トビーフを食べる。夕食後、事務所の川本君の案内で、有志によるビッグベン視察を行ったらしい。僕はそれには参加せずに帰宅。ただし、夕食会でご同席した 環境省の鷺坂審議官と自宅近くのパブで若干の二次会。
6日(月)は、その地方債IRの本番。英国大使館で13時から。結構人が集まっていて、大使館のご努力が忍ばれた。プレゼンも、司会の坂越補佐が切れのい い英語でてきぱきと進行させ、地方からのプレゼンターも事前の準備がしっかりしてわかりやすく、充実した内容だったと思う。質疑の時間には、ロンドン事務 所のキルヒナー調査員が通訳で活躍。レセプションでも、有意義な意見交換が行われた模様。少なくとも、地方債を海外投資家に売り込むための課題はかなり明 確に整理されたように思うし、意義は大きかったと感じた。
7日(火)から9日(木)にかけて、キルヒナーさんとともに、北アイルランドの首都ベルファストで行われた、
solaceの annual conference に参加。solace とは、「Society of Local Authority Chief Executives and Senior Managers」の略称で、地方自治体事務総長・幹部会議といったところ、英国の地方自治体の集まりには、あと
LGAというのがあり、こちらは自治体を代表する政治家の集まりで、春に総会がある。
今回の出張は、幸い朝がそれほど早くはなく、ヒースロー空港午前10時55分発のBMI機で、ベルファスト到着が12時20分。でもこれはあくまでもタイ ムテーブル上の時刻であり、実際はいつものように遅れた。まあ、10分程度だったけど。空港からは、solaceの人が手配してくれていた自動車で宿泊予 定のヒルトンホテルに。ただ、ヒルトンホテルは、カンファレンスの会場の真横でとても便利だったのだけれど、ちょっと料金が高く、そのホテルでの宿泊は招 待の僕だけで、キルヒナーさんはご自身で探された近く(と言ってもあまり近くない)ホテルに宿泊。雨がちだったこともあり、ちょっと申し訳ない思い。
食事を取って14時過ぎに会場でキルヒナーさんと落ち合い、レジストレーション。14時半からカンファレンス開会。solace事務局長のDavid Clark氏のあいさつ、solace代表で、北アイルランド Worcestershire County Council の CEO の Trish Haines 女史による今回のカンファレンスのテーマ「Prosperity, People and Place」と題したスピーチ、Belfast City Council の CEO の Peter Mcnaney 氏の「Placeshaping Belfast」と題したスピーチ、ティーブレイクの後、「Policing Divided Communities」のスピーチへと続いて、17時まで。
で、その日の夜は、19時半から、Belfast Castle でのInternational Dinner。「International」と銘打つだけあって、同じテーブルにはアメリカ、デンマーク、オーストラリアから来た人々なども。料理もな かなかおいしくて、楽しかった。
8日(水)は、午前9時半から保守党MPの Bob Neil 氏によるスピーチ、10時15分から調査会社の ipsos MORI の Managing Director Ben Page氏による講演。正直言って、このBen Page氏の講演が、今回の中で一番おもしろかった。
ティーブレイクの後は、11時半からスタディ・ツアー。要するに市内視察なのだけれど、実に盛りだくさんのメニューが用意されていて、どれも魅力的で選ぶ のに迷った(でも結局キルヒナーさんのおすすめに従った)。で、選んだのが「Sterwartstown Road Regeneration Project」。パンフレットでの説明が「An inter-community social economy initiative at Suffolk/Lenadoon which is sustained through private and public rental incom」というだけで、最初正直なんのことかさっぱりわからず、有料道路の収入で地域活性化でもやっているのだろうかと思っていたら、まるっきり違っ た。アイルランドの厳しい歴史、カトリックとプロテスタントとの対立抗争に深く根ざして、物理的にも分断されてしまったコミュニティに、対話をもたらし、 信頼を徐々に築くにいたったコミュニティ活動と、その拠点となったコミュニティセンターの視察。言葉で書くと別になんてことないようだけれど、それは日本 には、ここまで悲惨な内戦の経験がないから。「戦争」をしてきた両当事者の間の信頼を取り戻すというのは、想像を絶する大変さであることがひしひしと感じ られた。百聞は一見にしかず。
ランチの後、午後2時半からは、Workshop。これも色とりどりのメニューだったけれど、その中から「Transformational change at Newcastle City Council - unlocking £28.5m for improved citizen service」を選択。Fujitsu Services UK が Newcastle City Council と組んで実施した、大規模なICTの導入による機構改革・行政改革のプレゼン。概略は、
ここにも載っている。やはり、労働組合との交渉に苦労したようだけれど、それにしてもちょっと日本では考えられないようなものすごく大胆な変革を行っている。組織カルチャーの違いか。参考にはならないけれど、おもしろい。
そして16時からは、目下の経済情勢を踏まえて急遽盛り込まれたパネルディスカッション「Facing up to the Credit Crunch: What does this mean for Local Government?」。聞き終わって、僕は、結局なかなかいい知恵はない、ということかという印象だったのだけれど、キルヒナーさんは、結構建設的な 提案もあって有意義だったというご感想。ヒアリング能力の差、かな?ちょっと悲しい。
その日の夕食は、St.George's Market のテントを張った大広場で、Charity Reception & Dinner。テーブル数44、総参加者500名以上の大夕食会。ちゃんとスポンサーがいて、ディナー前のドリンクのスポンサーはCAPITA、ディナー のスポンサーはSECTOR。同じテーブルについたのは、やはり国際色豊かな面々で、ニュージーランドやオーストラリアなど遠方から来た方も多数。隣はメ ルボルンにある Local Government Managers Australia の Chief Executive で John Ravlic さんという方。シドニー事務所の池田所長をよくご存じとのことで、盛り上がった。
9日(木)は、午前9時半からスタディ・ツアーその2。僕が今回参加したのは「Connswater Community Greenway」。手入れが行き届かず荒れてしまった川に沿って、行政と市民団体とのパートナーシップで再開発・コミュニティ再生を行い、川沿いの環境 をよみがえらせた事例。これは、日本でも比較的ありがち。川沿いに結構歩いたので、いい運動になった。
戻ってコーヒーブレイクの後、11時45分からは「Housing vs Countryside?」という講演。住宅開発を計画的に進めるために新たに設立された公共法人、Homes and Communities Agency の Chief Executive である Sir Robert Kerslake 氏の講演。イギリスでは、純粋な公営住宅や純粋な民間宅地開発というものがどうやらないようで、住宅開発は、官民の共同で行うのが一般的らしい。かなり日 本とは状況が違う。その分、都市計画をきちんと実行しやすそうなのがうらやましく思った。
昼食後、14時15分からは「Bowling together - Building Social Capital」という題でのパネル・ディスカッション。要するに市民参加活動。これは日本にかなり近い。しかも、レベル的にも日英で結構いい勝負じゃな いかと思った。日本もそんなに負けてない。
ティーブレイクの後、16時からはカンファレンスのトリを飾る、コミュニティ・地方自治大臣 Hazel Blears 女史のキーノートスピーチ。早口だけれど、歯切れ良い語り、会場からの質問に対し、明快にずばずば答える弁論ぶりはさわやかで、さすが英国の政治家は違う と思った。
17時に講演が終わり、これでカンファレンスの公式行事は終了。イベントとしては、実はその後にも18時半からHistoric Pub Tourだとか、Cafe Vaudeville とかあったけれど、さすがにそれはパス。帰りの飛行機は19時50分発だったので、18時過ぎまでホテルの喫茶でキルヒナーさんと時間をつぶし、タクシー で空港へ。飛行機も順調で、21時10分にはヒースローに到着。10時半前には帰宅。でも、さすがに疲れた。
10日(金)は、特に行事なし。事務所でたまっていた仕事を片付ける。
11日(土)は、北橋北九州市長が、ベルリンでのOECD会合(環境についてのプレゼンを行われたとのこと)の後、ロンドンに寄って視察されるとのこと で、その歓迎夕食会。今回も、またSimpson's。まあ雰囲気が良いので、接待に無難。夕食時の歓談で、実は市長とは西宮市甲東小学校の先輩・後輩の 間柄であったことが判明。ものすごく驚いた。
12日(日)は、母校灘校の嘉納理事長、和田校長がロンドンに来られることとなった機会に、ロンドンに在住している灘校出身者で同窓会を開くことになり、 それに参加。Victoria駅近くの、THISTLE WESTMINSTER HOTEL の一室を借りて、そこにケータリングの飲み物・食べ物を運んでの夕食会。年次がばらばらなので、同窓生と言ってもほとんどお互い同士知らない間柄だったの だけれど、すぐに打ち解けて楽しい会になった。全部で12名だったかな。結構いるものだと感心。そういえば、そこで知り合った、灘の2年後輩で、今JAL の機長をしているという牧さんが、僕の小学校の同級生(やはりJALの機長をしている)と知り合いだということを知って、またまたびっくり。いろいろなつ ながりがあるものだ。
13日(月)は、クレア本部からアイルランド、英国のJETとの意見交換に来たメンバー(石本指導課長、山田業務課主査)と昼食。夜はJETのロンドン支部のメンバーも交えて会食。
14日(火)は、行事は特になし。そろそろ娘の学校探しに取りかからねばと思い、若干の情報収集。
15日(水)は、大使館で在日政府関係機関の打ち合わせ。移民法改正、日英修好150周年記念イベントなどが主な話題。
16日(木)は、Japan Study Tour の pre-orientation。英国自治体トップの人に希望を取り、日本での自治体との意見交換や暮らしの体験などを行ってもらうイベントの事前説明。今年は、11月に東京と長野市・飯田市に行ってもらう。
説明会は、和気藹々とした雰囲気の中行われ、成功裏に終了したのだけれど、終了後、30分過ぎても頼んでおいたケータリングの弁当が来ない。結局、急遽レ ストラン三越を予約してそちらに向かうことに。実は、この日の昼、北京オリンピックの祝賀パレードが行われていて、事務所近所の道がすべて通行止めになっ ていたので、ケータリングの車が来られなかった模様。でも、それならそれで携帯で連絡を寄越せばよさそうなものなのに。ただ、レストラン三越の和食の弁当 も、おいしかったし、日本に行く前のいい勉強になったと出席者には非常に好評だった。
15時には、11月のダービシャーセミナーで進行をお願いしているProfessor Hambleton氏が来訪して、打ち合わせ。非常に気さくな感じの先生で話しやすく、心強かった。また、打ち合わせ後、この先生からのご提案があった。 自治体の国際的な意見交換の会議を今立ち上げたいと活動中なので、クレアロンドン事務所にもご賛同願えないかとの由。趣旨には大いに賛同。でも、お金の面 での貢献はあまり期待しないでくださいね、とお返事。また機会を改めてじっくりお話しすることに。
17日(金)は、地域活性化センターの自治体からの派遣職員3名(大井さん、島浦さん、伊藤さん)が、事務所に来訪。一緒に昼食を取る。ロンドン、エディ ンバラ、グラスゴー、ノッティンガム、リバプールと視察してきた最終行程で、昼食後と翌土曜日は観光とのこと。夕食も、割り勘という約束で、鷺坂審議官、 川本君も一緒に、彼らとSOHOの中華を食べに行った。
18日(土)は、家関係のことをいろいろした後、The Grey Coat Hospital School と Pimlico Academy を見に行った。どちらも家からバス1本で便利なところ。さて、まずは無事面接にまでこぎつけられるか…
で、今日19日(日)は、珍しく1日中自宅で過ごす。外出したのはプールに行って泳いだのだけ。家を掃除をしたり、簡単な料理を作ったり、スカイプで子供に勉強を教えたり、ブログを整理したり。これからは、多少このような平和な日々になる、はず。