2008年11月2日日曜日

10月27日~11月2日

ようやくイベントがまばらになってきた。今週は少なめ。

27日(月)は、大和日英基金のセミナーに出席。テーマは「The Global Economy - Perspectives from the UK ana Japan」。目下の経済情勢を解説してくれるセミナーで、司会がアジア太平洋技術ネットワーク所長の Louis Turner 氏、講師は、Financial Times の Chief Economics Commentator の Martin Wolf 氏、日経ビジネス出身で外務副報道官なども務め、現慶応大学客員教授の谷口智彦氏、フリーランス・ライターの Joe Studwell 氏。会場が、事務所から歩いてすぐの Royal Society of Arts で、近いし、会場の趣もあるし、テーマはタイムリーだし、ということで、ちょっと期待していたのだけれど、そう思った人がどうやらかなり多かったらしく、 会場は超満員。フロントでコートと鞄を預けようとしたら、もういっぱいで預けられませんと言われるし、一応席にはすわれたけれど、狭い席にぎっちりだった ので持病の背中の痛みは襲ってくるし、講師の英語はすべて早口(日本人の谷口氏も含めて)だしで、正直つらいだけのセミナーだった。経済セミナーというの は、地共連の資金運用部長時代にかなりいろいろ行ったけど、おもしろそうでいて実はそれほどおもしろくないことも多い。結局、ふわふわしたものを扱ってい るために、話し手の趣味次第で何とでも言えるとことから、「知識」としての要素が少ないからかもしれない。もちろん、僕のヒアリング能力が高ければ、ス ピーカーのちょっとした言い回しの中にインスパイアされることがいろいろあるのだろうけれど、キーワードだけ聞いて全体を推測しようとするような聴き方で はそれも望むべくもない。もちろんこれは、セミナーが悪いということではなく、僕との相性が悪かったという問題。
当日会場で、次回のセミナーの案内が配られていた、次回は11月20日で、テーマが「Why Japan Can't Reform - Inside the System」。よくあるテーマだけれど、今の時期ということを考えると、これはちょっとおもしろそう。

28日(火)は、当事務所主催のスピーカーシリーズ。今月の講師は、バーミンガム大学の Peter Watt 教授。行政評価の第一人者で、事務所の桑原さんが引っ張ってきた。2006年には、事務所主催の Japan Study Tour にも参加され、東京と青森にもいらしたそうで、とてもフレンドリーな先生で、お話ししていて楽しかった。
先生は、英国で行政評価を司っている Audit Commission の評価を手がけられたとのことで、冒頭、それについてのジョークを飛ばされていた。(「評価の評価」の次は「評価の評価の評価…」で切りがない、というような話)
行政評価については、日本でもかなりいろいろ研究され、実践もされてきているところで、僕自身も四日市時代には導入にかなりコミットした。それで、今でもかなりの思い入れがあるだけに、「本場」英国での話はとても興味があった。
中身は、前半が概論的な話で、実はちょっと眠かったけれど、後半は、これまでの英国での行政評価の経験と反省から、今後どのような方向に進んでいこうとしているかという話で、おもしろかった。さらに、質疑はもっとおもしろかった。
具体的な話はクレアロンドン事務所のHPに掲載されるのでおいといて、僕自身の受けた印象は、同じ行政評価と言っても、英国と日本とではずいぶんアプロー チが違うな、ということ。英国は、実に分析的、実際的で、日本の情緒的、包括的なやり方とは対照的。でも僕は、別に日本のやり方が悪いとは全然思わない。 悪いのは、そのやり方で何を達成しようとしているのかを、はっきりさせずに導入しようとしてしまうところが多いこと。
「評価」というのは、つまるところ人間を扱うものなので、数値化して科学的に取り扱うことがいいとは限らない。主観的、情緒的なアプローチでも、やり方次 第では科学的評価よりもよほど役に立つ。ただ、ゴールがあいまいだと、全く役に立たない。その点、英国方式(たぶんアメリカやニュージーランドなんかでも 同じ)では、そもそもの導入のコンセプトから、ゴールがあいまいということはありえないので、副作用はありつつもきちんと成果は出る、ということなのだろ う。少なくとも、どこがうまくいってどこがうまくいかなかったという分析は、あとからきちんとできる。日本の場合、「後からの検証」に耐え得ないものが多 いのが、結局最大の問題といえるかな。というようなことを、この講演を聴きながら考えた。
Watt先生とは、いつかまたお会いして議論してみたい。

29日(水)以後は、特段の仕事関係の行事はなし。事務所の機関誌の原稿を書いたり、事務所運営関係のもろもろの打ち合わせをしたり(そういうのは、残念 ながらブログには書けない)、ホームページに発表する文章に手を入れたり、といった、ルーチンワーク。ようやく、こちらの地方自治関係の機関誌 「Municipal Journal」や「Local Government chronicle」なんかを読んで勉強する時間が持てるようになってきた。

あと、仕事以外での今週のビッグイベントと言えば、妻の強い勧めで、全自動掃除機「Roomba」を購入したこと。買ったのは、日本では発売されていない(ヨーロッパ仕様なのかな?)「560」。日本だと8万円から9万円するみたいなのが、UK Amazonでは199ポンド。今の1ポンド160円くらいのレートからすると、32000円位。これはお買い得。

早速この土日に走らせてみたけれど、たしかにこれはすごい。AIが相当かしこい感じで、部屋の隅々まで潜り込めるところはどこまでも潜り込んでいくし、本 体の端の方についたブラシで、部屋の隅や端まで実に丁寧に掃き取ってくれる。しかも、人間と違って飽くことを知らないので、電池がなくなるまで2時間近 く、部屋の中を何巡も何巡もこれでもか、というくらいにしつこく掃除してくれ、おかげで終わった後の床はぴかぴか。髪の毛1本落ちていない。まああんだけ 徹底的に回られたら落ちていようがない。ほんと驚いた。

で、掃除が終わったら、自分でホームベースに戻って充電態勢に入り、勝手に充電。これだと、休みの日でなくても、仕事に行く前にスタートさせておき、帰宅 したら掃除が終わって充電も完了、次回もいつでもスタンバイOKって感じでころがせる。ほんとにすごい。付属品の「Virtual Wall」を使えば、くぼみに落ち込むことを避けることもできるし、ほんとよく考えられていると感心。

すでにヒットしているらしいけれど、これはヒットするわ。日本で8万円はちょっとためらうところだけれど、200ポンドなら全然惜しくない。むしろ安い!イギリスで買う物は、何でも日本より高いとげんなりしていたけれど、こういうことがあると、ちょっとうれしくなる。

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