2009年5月19日火曜日

ビル・エモット氏講演

19日(火)は、12時半からバークレーズ・ホテルで行われた、時事通信のトップセミナーに出席。今回の講師は、先日読み終えた「アジア三国志」の著者のビル・エモット氏。テーマは「国際金融・経済危機とアジア」。本もおもしろかったが、講演も歯切れの良い、わかりやすい英語で聞き取りやすい上に、切れの良い明快な分析で理解しやすく、おもしろかった。本を読んでいても感じたが、基本的にアジアに対して非常に強い思い入れを持たれている人で、短期的にはともかく、中期的には将来に対して楽観的な見方をされている人。エコノミストとしては、結構珍しいタイプのように思った。日本に対しては、小泉改革で構造改革を成し遂げたのはいいものの、企業や経済を健全化させようとするあまり、あまりにも勤労者に犠牲を強いすぎたので、消費が慢性的に落ち込む結果となってしまい、経済の立ち直りが遅れているのだから、雇用保障であるとか、賃金アップだとかの社会民主主義的政策をとった方が、むしろ経済も上向くだろうという意見。激しく同感。
講演後の質疑で、「現在の経済化で、利益を出している企業はあるか」という質問に、「タミフルを作っている会社」と、まずは即興でジョークで切り返したのも、センスを感じさせた。ちなみに、その後には、どんな経済化でも、個々の企業を見ると、必ず儲かっているところ、安定して成長しているところはある、経営努力次第、というまっとうな解答も、ちゃんとされていたけれど。
ともあれ、行って大正解だった。

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