19日(木)は、London School of Economics のジョージ・ジョーンズ教授とランチミーティング。先日LGAのカンファレンスで、環境省からチャタム・ハウスに来ている鷺坂審議官を教授にご紹介したところ、メールのやりとりが始まって、ランチ・ミーティングをすることになったとのことだったので、大使館の河合書記官ともどもお相伴にあずかることに。場所は、大使館に比較的近い「菊」というお店。日本人の経営する結構おいしい和食で、ランチは20ポンド前後で、クオリティからすると、ロンドン相場としてはそれほど高くない。ロンドンにも良い店があるものだ。
教授とは僕は2回目だったが、今回も実に気さくにいろいろなお話をさせていただいた。公選制市長とキャビネット方式の優劣、政府がユニタリーや市長公選制を進めたい裏の理由、地方税における企業課税のあり方、分権を行うと本当にサービスにばらつきが生じるのか、等々、実に興味深いお話が聞けて、あっというまに2時間が経ってしまった。
今後も、ぜひお付き合いを続けたい方。
2009年3月19日木曜日
2009年3月16日月曜日
ベドフォード出張
16日(月)は、ユニタリー(日本の県に当たるカウンティと、市町村に当たるディストリクトの機能を併せ持った市)の調査をしている大使館の河合書記官が、この4月に二層制の市から一層制のユニタリーに移行するBedford CouncilのChief Exectiveのアポイントが取れたというので、当事務所からも僕とキルヒナー主任調査員とが同行。
ベドフォードはロンドンから近く、朝10時にセントパンクラス駅を出て、10時37分にはベドフォード駅に着いた。駅から市役所までは、歩いて15分程度。暖かい日で天気も良かったので、街の中心街を歩いて、町並みを見ながら市役所に赴いた。
事務総長のフィールド氏へのインタビューは、午前11時から1時間の予定だったが、話が弾んで12時半までお話を聞くことができた。氏は、元々民間の技術畑出身とのことだったが、ベドフォード市で39歳の時から11年間事務総長を務め、この3月でユニタリー昇格を花道に退任されるとのこと。これまでの経験談を、表話・裏話交えて、エネルギッシュに語ってくださった。とてもまだ引退するような状態ではないと思うのだが、これからはゴルフやガーデニングやアンティークの趣味の時間をたっぷり取り、自治体へのコンサルティングなどしながら過ごされるそうな。うらやましい話。
本題のユニタリー移行の話でも、ベドフォードの置かれた政治状況、カウンティとの対立、今後の住民サービス向上への見通しなど、熱く語っていただいた。ただ、ベドフォードについては全く問題ない、むしろよくなるであろうことはよくわかったが、ベドフォードのユニタリー化で残された中ベドフォードは今後どうなってしまうのだろう、というのが心配なところ。でもこれは、ベドフォードの事務総長の気にするところではないのだろう。むしろ国の政策の問題。
ベドフォードはロンドンから近く、朝10時にセントパンクラス駅を出て、10時37分にはベドフォード駅に着いた。駅から市役所までは、歩いて15分程度。暖かい日で天気も良かったので、街の中心街を歩いて、町並みを見ながら市役所に赴いた。
事務総長のフィールド氏へのインタビューは、午前11時から1時間の予定だったが、話が弾んで12時半までお話を聞くことができた。氏は、元々民間の技術畑出身とのことだったが、ベドフォード市で39歳の時から11年間事務総長を務め、この3月でユニタリー昇格を花道に退任されるとのこと。これまでの経験談を、表話・裏話交えて、エネルギッシュに語ってくださった。とてもまだ引退するような状態ではないと思うのだが、これからはゴルフやガーデニングやアンティークの趣味の時間をたっぷり取り、自治体へのコンサルティングなどしながら過ごされるそうな。うらやましい話。
本題のユニタリー移行の話でも、ベドフォードの置かれた政治状況、カウンティとの対立、今後の住民サービス向上への見通しなど、熱く語っていただいた。ただ、ベドフォードについては全く問題ない、むしろよくなるであろうことはよくわかったが、ベドフォードのユニタリー化で残された中ベドフォードは今後どうなってしまうのだろう、というのが心配なところ。でもこれは、ベドフォードの事務総長の気にするところではないのだろう。むしろ国の政策の問題。
2009年3月15日日曜日
JETAAUK 年次総会
3月14日(土)から15日(日)にかけて、マンチェスターで行われた、JETAA英国所属6チャプターによる年次総会(Anual General Meeting)に出席した。
14日(土)午前9時ユーストン駅発の電車に乗って、木村所長補佐、キース調査員とマンチェスターへ。この日は、ちょうどプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド対リバプール戦の日に当たっていたため、おそらくロンドンからもそれを見に行くであろう人々で電車は超満員。全席指定なので立っている人はいないが、3人ばらばらの座席。僕は車両も別。午前11時10分に駅についてタクシーに乗ろうとすると、ここも長蛇の列。まいった。ちなみに、宿泊ホテルも、定宿の中心街のものは、普段70ポンドの部屋が、この日だけはなんと150ポンド。さすがに泊まれないので、郊外の安いホテルを取った。しかし、マンチェスターは公共交通機関があまり発達しておらず、電車は本数が少なく、バスは遅いので、どうしてもホテルへの往復をタクシーに頼らざるを得ない。さらに、先にホテルでチェックインしようとしたら、アーリー・チェックインは、一人10ポンド余分にかかるという。ともあれ一部屋だけアーリー・チェックインをして、3人の荷物を置いた。ずいぶん割高な出張になってしまった。
会議は、市内中心部の「Don Giovannis」というレストランの一室で、午後1時から行われた。なんでも、JETAAノースイースト(マンチェスター)チャプターのジュービンのお父さんがここを経営しているとか。きちんとパワーポイントの用意もされているし、会議を行った一室はレストランの他の席とはきちんと離れていて話し合いを行うにも何の問題もなく、いい会場だった。
会議は、各支部からの活動報告、JLGCからのJETAA向け助成金の制度変更についての説明、JETAAの今後の課題についての話し合い、JLGCとJETAAとの協働のあり方についての話し合いと続き、非常に中身の濃いものだった。その日は予定時間通り5時頃に会議を終え、その後はパブでリラックスしながらの意見交換会。ただ、そちらの方もやはりプレミアリーグの影響で、結構な賑わいだった。
15日は、AGM2日目。朝は、ホテルをチェックアウトした後、やはりタクシーで昨日のレストランへ。9時から朝食を食べながらのミーティング、10時から会議という予定になっており、我々は9時ちょうどに会場に着いたのだが、また到着者はゼロ。さすがイギリスの会議。
でも、10時にはちゃんと全員集まり、きちんと会議は行われた。会議と行っても、この日の主要議事は、次のUK代表メンバーを決める選挙。このような場合、日本では、あらかじめ候補者が根回しで決まっていて、当日は全員による承認で決まってしまうことが多いが、そこは民主主義の伝統の長い国。メンバーは16人程度だったと思うが、ちゃんと立候補して、所信を述べさせ、投票して選ぶ。で選ばれなかった人も、拍手で勝者を称えてすんなり代表が決まる。非常に手続きが透明ですがすがしい。
議事進行が早く、当初の予定では12時まで確保されていたのが、結局11時にはすべての議事が終わってしまった。そこで、ちょどこの日がアイルランドの祝祭日「聖パトリック・デー」に当たっており、教会広場でイベントをやっているからとのアドバイスを受けて、みなでその見物に。この日アイルランドのカラー緑色が目立った広場は、人で賑わって楽しかった。その後、12時半から「太湖」という中華レストランでJLGC主催の昼食会。といっても、5.8ポンドでドリンク付きの食べ放題バイキング。ただ、料理が何十種類もあり、実に堪能できた。ロンドンでもこんな店があればいいのにとため息。
帰りは、電車が比較的空いていたので、一番早いやつの自由席に乗ってロンドンに戻った。
14日(土)午前9時ユーストン駅発の電車に乗って、木村所長補佐、キース調査員とマンチェスターへ。この日は、ちょうどプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド対リバプール戦の日に当たっていたため、おそらくロンドンからもそれを見に行くであろう人々で電車は超満員。全席指定なので立っている人はいないが、3人ばらばらの座席。僕は車両も別。午前11時10分に駅についてタクシーに乗ろうとすると、ここも長蛇の列。まいった。ちなみに、宿泊ホテルも、定宿の中心街のものは、普段70ポンドの部屋が、この日だけはなんと150ポンド。さすがに泊まれないので、郊外の安いホテルを取った。しかし、マンチェスターは公共交通機関があまり発達しておらず、電車は本数が少なく、バスは遅いので、どうしてもホテルへの往復をタクシーに頼らざるを得ない。さらに、先にホテルでチェックインしようとしたら、アーリー・チェックインは、一人10ポンド余分にかかるという。ともあれ一部屋だけアーリー・チェックインをして、3人の荷物を置いた。ずいぶん割高な出張になってしまった。
会議は、市内中心部の「Don Giovannis」というレストランの一室で、午後1時から行われた。なんでも、JETAAノースイースト(マンチェスター)チャプターのジュービンのお父さんがここを経営しているとか。きちんとパワーポイントの用意もされているし、会議を行った一室はレストランの他の席とはきちんと離れていて話し合いを行うにも何の問題もなく、いい会場だった。
会議は、各支部からの活動報告、JLGCからのJETAA向け助成金の制度変更についての説明、JETAAの今後の課題についての話し合い、JLGCとJETAAとの協働のあり方についての話し合いと続き、非常に中身の濃いものだった。その日は予定時間通り5時頃に会議を終え、その後はパブでリラックスしながらの意見交換会。ただ、そちらの方もやはりプレミアリーグの影響で、結構な賑わいだった。
15日は、AGM2日目。朝は、ホテルをチェックアウトした後、やはりタクシーで昨日のレストランへ。9時から朝食を食べながらのミーティング、10時から会議という予定になっており、我々は9時ちょうどに会場に着いたのだが、また到着者はゼロ。さすがイギリスの会議。
でも、10時にはちゃんと全員集まり、きちんと会議は行われた。会議と行っても、この日の主要議事は、次のUK代表メンバーを決める選挙。このような場合、日本では、あらかじめ候補者が根回しで決まっていて、当日は全員による承認で決まってしまうことが多いが、そこは民主主義の伝統の長い国。メンバーは16人程度だったと思うが、ちゃんと立候補して、所信を述べさせ、投票して選ぶ。で選ばれなかった人も、拍手で勝者を称えてすんなり代表が決まる。非常に手続きが透明ですがすがしい。
議事進行が早く、当初の予定では12時まで確保されていたのが、結局11時にはすべての議事が終わってしまった。そこで、ちょどこの日がアイルランドの祝祭日「聖パトリック・デー」に当たっており、教会広場でイベントをやっているからとのアドバイスを受けて、みなでその見物に。この日アイルランドのカラー緑色が目立った広場は、人で賑わって楽しかった。その後、12時半から「太湖」という中華レストランでJLGC主催の昼食会。といっても、5.8ポンドでドリンク付きの食べ放題バイキング。ただ、料理が何十種類もあり、実に堪能できた。ロンドンでもこんな店があればいいのにとため息。
帰りは、電車が比較的空いていたので、一番早いやつの自由席に乗ってロンドンに戻った。
2009年3月12日木曜日
広報連絡会議 at JSPS
12日(木)は、12時半から、JSPS(日本学術振興会)のロンドンオフィスで、定例の広報連絡会議。ロンドンにある、日本の広報を手がけている、大使館、政府関係機関や企業・団体の集まりで、おおむね2ヶ月に1度メンバー持ち回りで開催。今回がJSPSの順番だった。
それぞれのメンバーから、前回会議以後の活動報告や、今後の予定を順番に発表。結構活発に質問なども出て、いつも結構長くなる。今回も3時過ぎまでしっかりと意見交換。
お互いに今何を手がけているのかがよくわかり、今後の提携などにも結びつけることきっかけが数多く生まれる良い機会。他の場所でもよく顔を合わせるメンバーなので、すっかり友達になっている。
それぞれのメンバーから、前回会議以後の活動報告や、今後の予定を順番に発表。結構活発に質問なども出て、いつも結構長くなる。今回も3時過ぎまでしっかりと意見交換。
お互いに今何を手がけているのかがよくわかり、今後の提携などにも結びつけることきっかけが数多く生まれる良い機会。他の場所でもよく顔を合わせるメンバーなので、すっかり友達になっている。
2009年3月10日火曜日
姉妹都市会議
10日(火)は、午後2時から大使館で日英姉妹都市会議。英国の自治体で、日本と交流・提携関係にある自治体を一同に呼び集め、日英の自治体交流のあり方について意見交換をしていただこうというのが趣旨で、大使館と当事務所の共催事業。今回初の試み。
こういう会議を持てばおもしろいのではないか、というアイデアは、以前ゲーツヘッド市に行った折に、石川県小松市と姉妹都市関係にあるゲーツヘッド市側から出てきたもので、それはおもしろそうなので、そのうち是非やりましょうと口約束だけしてあった。
しかしながら、今年度は事業予算もないので、来年度の適当な機会にと考えていたところ、大使館から、昨年末に地域連携事業で適当な企画があれば、本省から予算が出ることになったという情報が入ったことで、この企画のアイデアを話したところ、あれよあれよという間に決まったもの。
正直、準備期間がやや短かったこともあって、どれだけ集まってくれるか多少心配な面もあったのだが、姉妹都市・提携都市含めて英国にある該当30自治体のうち13自治体(だったと思う)が集まってくれ、また、LGA(英国自治体協議会)のメンバーも参加していただいたし、日本側も、大使館、クレアロンドン事務所だけでなく、ジェトロ、国際交流基金、政府観光局、学術振興会、ジャパン・ソサイエティと幅広く集まってプレゼンをしていただき、非常に充実した会議となった。
会議では、それぞれの都市が交流を始めた経緯や活動状況などを一通り紹介してもらった後、ディスカッション。どこもやはりお金の悩みが大きいようで、チャリティの活用などがアイデアとして出ていた。また、参加していたバース市の女性議員の方から、姉妹都市提携をしている相手先からまったく音沙汰がないという本音の苦情も聞かれ、そういう実態があぶり出されて修復のきっかけを与えられる機会が得られたことも、逆に収穫。
なんとか今後にもつなげていきたい。
こういう会議を持てばおもしろいのではないか、というアイデアは、以前ゲーツヘッド市に行った折に、石川県小松市と姉妹都市関係にあるゲーツヘッド市側から出てきたもので、それはおもしろそうなので、そのうち是非やりましょうと口約束だけしてあった。
しかしながら、今年度は事業予算もないので、来年度の適当な機会にと考えていたところ、大使館から、昨年末に地域連携事業で適当な企画があれば、本省から予算が出ることになったという情報が入ったことで、この企画のアイデアを話したところ、あれよあれよという間に決まったもの。
正直、準備期間がやや短かったこともあって、どれだけ集まってくれるか多少心配な面もあったのだが、姉妹都市・提携都市含めて英国にある該当30自治体のうち13自治体(だったと思う)が集まってくれ、また、LGA(英国自治体協議会)のメンバーも参加していただいたし、日本側も、大使館、クレアロンドン事務所だけでなく、ジェトロ、国際交流基金、政府観光局、学術振興会、ジャパン・ソサイエティと幅広く集まってプレゼンをしていただき、非常に充実した会議となった。
会議では、それぞれの都市が交流を始めた経緯や活動状況などを一通り紹介してもらった後、ディスカッション。どこもやはりお金の悩みが大きいようで、チャリティの活用などがアイデアとして出ていた。また、参加していたバース市の女性議員の方から、姉妹都市提携をしている相手先からまったく音沙汰がないという本音の苦情も聞かれ、そういう実態があぶり出されて修復のきっかけを与えられる機会が得られたことも、逆に収穫。
なんとか今後にもつなげていきたい。
2009年3月9日月曜日
総務省情報システム管理室来所
9日(月)は、出張の後ということもあって、実に忙しかった。
午前9時40分からは、週初めの定例ミーティング。
午前10時に、総務省情報システム管理室長の岡本氏、補佐の松本氏、係長の藤井氏が来所。電子政府に関する調査のための訪欧ということで、英国では政府機関への訪問を予定されておられるそうだが、うちには、電子自治体についての状況調査のために来られたもの。キルヒナー主任調査員、スティーブンス調査員、川本所長補佐の方から、約2時間にわたって説明。英国の場合、一口に「電子自治体」と言っても、地方制度の仕組みや業務内容が日本とはかなり異なるため、英国の地方自治の仕組みあたりから説き起こさなければきちんとした説明にはならないため、どうしても説明にはある程度時間がかかる。かといって、本やホームページを見ればそれくらいのことは日本にいてもわかるだろうか、というと、実は単に英語が読める程度ではだめで、よほど深く英国のことをあらかじめ知らないと、そもそもどこを探せばいいのかさえわからないだろうというのが実際のところ。
なにしろ、こちらはコモン・ローの国で、必ずしもきちんとした法体系が整っていないし、情報公開は相当進んでいるけれど、新旧・玉石混淆なので、的確な情報を集めてまとめあげるには、相当の経験と努力が必要である。もちろん、このポストについてまだたった8ヶ月の僕には、とても「調査」そのものは無理で、そのために事務所として優秀なローカルスタッフを雇い、相応の処遇をして長期間雇用している。いざというときに一番頼りになるのはこういうスタッフで、日本の自治体から派遣されてきている所長補佐達も、得るところは非常に大きいと思う。でも、ローカルスタッフには、結構大雑把なところや、逆に日本のことを十分には理解していないことも多々あるので、結局のところそれを本当に日本の自治体に役立つ情報にまとめ上げるには、日本人スタッフとのコラボレーションがやはり重要。
ともあれ、電子自治体の調査に関しては、それなりにご満足いただいたご様子で、ほっとした。
午後は、たまっていた決済のほか、事務所開設20周年セミナーの打ち合わせ、スウェーデン情報でWebサイトにアップロードする予定のトピックのブラッシュアップ、4月からの来年度の新体制での調査担当の割り振りの打ち合わせ等々。
午前9時40分からは、週初めの定例ミーティング。
午前10時に、総務省情報システム管理室長の岡本氏、補佐の松本氏、係長の藤井氏が来所。電子政府に関する調査のための訪欧ということで、英国では政府機関への訪問を予定されておられるそうだが、うちには、電子自治体についての状況調査のために来られたもの。キルヒナー主任調査員、スティーブンス調査員、川本所長補佐の方から、約2時間にわたって説明。英国の場合、一口に「電子自治体」と言っても、地方制度の仕組みや業務内容が日本とはかなり異なるため、英国の地方自治の仕組みあたりから説き起こさなければきちんとした説明にはならないため、どうしても説明にはある程度時間がかかる。かといって、本やホームページを見ればそれくらいのことは日本にいてもわかるだろうか、というと、実は単に英語が読める程度ではだめで、よほど深く英国のことをあらかじめ知らないと、そもそもどこを探せばいいのかさえわからないだろうというのが実際のところ。
なにしろ、こちらはコモン・ローの国で、必ずしもきちんとした法体系が整っていないし、情報公開は相当進んでいるけれど、新旧・玉石混淆なので、的確な情報を集めてまとめあげるには、相当の経験と努力が必要である。もちろん、このポストについてまだたった8ヶ月の僕には、とても「調査」そのものは無理で、そのために事務所として優秀なローカルスタッフを雇い、相応の処遇をして長期間雇用している。いざというときに一番頼りになるのはこういうスタッフで、日本の自治体から派遣されてきている所長補佐達も、得るところは非常に大きいと思う。でも、ローカルスタッフには、結構大雑把なところや、逆に日本のことを十分には理解していないことも多々あるので、結局のところそれを本当に日本の自治体に役立つ情報にまとめ上げるには、日本人スタッフとのコラボレーションがやはり重要。
ともあれ、電子自治体の調査に関しては、それなりにご満足いただいたご様子で、ほっとした。
午後は、たまっていた決済のほか、事務所開設20周年セミナーの打ち合わせ、スウェーデン情報でWebサイトにアップロードする予定のトピックのブラッシュアップ、4月からの来年度の新体制での調査担当の割り振りの打ち合わせ等々。
2009年3月8日日曜日
3月2日~8日
また元に戻って、先週一週間分のまとめ書き。
3月3日(火)は、盛りだくさんな一日だった。
午前10時に、大使館の河合書記官が来訪。10日(火)に大使館での開催を予定している、日英姉妹都市会議の打ち合わせ。ロンドン事務所のローカルスタッフも交えての会議だったので、基本的に英語での会議。でも効率的に進めることができ、会議の具体的イメージが固まった。
11時には、オフィス設計の金安氏来訪先日、時事通信のセミナーで同じテーブルに着いたご縁。今年、ロンドン事務所が事務所の契約更改の年に当たっているので、何かお手伝いできることはありませんかという、営業のお話。
午後12時半からは、商工会議所主催のパーマストン会というセミナー。Canon Streetにある「London Capital Club」で、一橋大学大学院教授の佐山展生氏が「M&A 最新事情と企業価値向上」という演題で講演。佐山氏は、「教授」とは言っても元は三井住友銀行出身で現在もM&A関係のアセットマネジメント会社を経営するバリバリの金融マン。実は僕は、以前地共連資金運用部長時代に、佐山氏の講演を聴いたことがあった。そのときも話の内容が具体的でおもしろかったという記憶があったが、この日の講演も実におもしろかった。聴衆のほとんどは、日本の大手企業のロンドン支社長クラスなので、メインは「企業価値とは何か」「どうやって企業価値を高めるべきか」「買収に値する良い企業はどうやって見分けるのか」といった。もろ経営の話。今の仕事に直接役立つものではないかもしれないが、経済の現場で起きている話というのは、世の中を知る上でとても重要。
4日(水)は、事務所の松野下所長補佐、キルヒナー主任調査員と一緒に、Local Government Association(LGA)の本部にお伺いして、ランチミーティング。ミーティングの主なテーマは、クレアロンドン事務所の20周年記念セミナー開催に際して、LGAにも一肌脱いでもらえないかというお願い。具体的には、セミナー会場としてLGA本部の大会議室をお借りできないか、ということと、LGA幹部をゲストスピーカーでお招きできないか、というのがメイン。
12時5分前にLGAに着くと、玄関ホールに、すでに懇意のSusan Handleyが迎えに来てくれ、会議室に案内してくれた。そこで国際部長のIan Hughes氏とJames Beadle氏が来て、合計6人で、SusanがM&Sで買って来たというお寿司を食べながらミーティング。イギリスのスーパーで売っているお寿司は、正直ちょっとリスキーすぎる感じがして食べたことがなかったが、マークス・アンド・スペンサーのお寿司は、意外にもなかなかいけた。
ミーティングの方も、単に20周年の話だけでなく、今後のロンドン事務所とLGAとの提携のあり方全般から、来春のLGA総会でロンドン事務所が出すブースのアイデア、ロンドン事務所の英国向け機関誌「Myliad Leaves」とLGA国際部の機関誌とのタイアップのアイデアなど具体的な話まで、実に幅広い意見交換ができてありがたかった。
実は、LGAは、今事務総長が会長とうまくいかずに事実上罷免されたりして結構ごたごたして、会員(英国の自治体)の脱会なども噂される大変な状況なのだが、現場にはどうやら関係ないようで、ほぼ2時間近くにわたって、実に和気藹々と楽しく話し合いができた。
同じ日の午後4時には、アバディーン大学の Peter Smart 先生が事務所に来訪。先生とは、まだ僕が着任する前に行われたアバディーンセミナー以来の、うちの事務所とのお付き合い。先生は大変日本通で、現在は関西学院大学と提携して先日も来日されたばかりの上、今年の11月頃には、また来日する予定がおありだとか。昨年11月には、うちの事務所主催のJapan Study Tour にもご参加くださっており、実に良い関係にある。行革全般が研究対象で、なかでも専門がHuman Resourcesということなので、ほんと大事にしたい先生。
事務所で1時間ほど意見交換した後、風間次長、アバディーンセミナーの担当だった静岡県から派遣の竹田所長補佐と4人で会食。会食の時には、仕事の話にとどまらず、日英文化、スコットランドの特色から、政治の話題、プールの話、その他もろもろ、大量におもしろいお話をうかがうことができた。それにしても、竹田さんは、質問がうまく、おもしろい話を引き出す技に長けていると感心。
5日(木)から6日(金)にかけて、今年の秋開催予定のフィンランド領オーランド島でのセミナーの打ち合わせのため、松野下所長補佐、キース調査員と3人で出張。5日はストックホルムに前泊し、6日早朝にオーランドに行き、ミーティングの後、ストックホルム経由で一気にロンドンに帰国という強行軍。ロンドンとの時差が、スウェーデンが1時間、フィンランドが2時間あり、移動距離もそこそこあるので、思ったより結構ハードで、ロンドンに戻ったときにはさすがに疲れた。
オーランドでは、これまでセミナーのオーランド側カウンターパートとして中心となって働いてくれていたオーランド島平和研究所のペトラさんが、旅先での急病のため帰国できなくなり、ミーティングに参加できなくなったという連絡が直前に入ってちょっと不安だったが、代わりに、平和研究所の客員教授でDirectorのSia Splliopoulou Akermark(スプリオプーロウ・アケルマルク)さんがお相手してくれ、全く問題なし。アケルマルクさんは、ギリシア人とスウェーデン人とのハーフで、元々スウェーデンで勉強した後オーランドに渡ってきた方とのことだが、実に精力的で聡明な女性。もちろん英語もぺらぺら。
飛行機(実に久々に乗ったプロペラ機で、小型機とは言えなんと座席が自由席。でも国際便)のオーランド到着が11時だったので、まず会場候補地である施設を見せてもらった後、近所のレストランで、ランチを取りながらミーティング。施設は今年4月にオープン予定というできたてのほやほやの立派な施設で、実にきれいで充実しており文句なし。ホールでのレセプションももちろんできるが、近所にホテルやレストランもあって、全く不自由ない。ちなみにフィンランド領なので、通貨はユーロというのも便利。
オーランドは、北国でありながら、結構日照時間が長く、それがグラファイト(って言っていたと思う)に反射した光が印象的で、また島なので当然水が多くて景色が美しいことなどもあって、芸術家を魅了させる要素が数多くあることから、スウェーデンやフィンランド本国から、結構な数の芸術家達が移り住んできているらしい。そのためか、島は実にきれいで品が良く、離島のハンディキャップを感じさせられるところはまったくなかった。実にうらやましい話。ともあれ、そういうことで、セミナーを開いてもお客様のおもてなしに不自由することは、まったくなさそう。むしろ、ゲストは後でかなりうらやましがられることになるかもしれない。
ランチには、オーランド議会の与党(と言っていたと思う)の有力者の一人のバーバラさんもご一緒していただいたが、どうやら彼女が島内関係方面へのつなぎ役となっていただけるご様子。ペトラさん、アケルマルクさんとも、全く抜け目がない。バーバラさんの英語も全く問題なく(というか、少なくとも僕なんかよりはるかにうまい)、フィンランドに来てミーティングをすることによる不自由さは、何一つ感じなかった。
ランチ後、平和研究所の会議室に場所を移してミーティングの続き。終了したのが3時頃。実は、我々のミーティングの後、今度はロシアからの訪問客とのミーティングもあったようで、平和研究所大忙し。しかもインターナショナルで、本当にすごい。
うちの事務所の3人は、ミーティング後、飛行機の時間まで若干余裕があったので、島を軽く回り、美術館を見て時間を過ごした。3月とはいえ、まだ雪もかなり残っていて寒かったが、町並みは美しく、夏に来たら本当にきれいだろうなと思った。セミナーの本番が今から楽しみ。
7日(土)は、再来週の引っ越しに向けて、荷物の整理に着手。あとは、日曜日ともども、のんびり。
3月3日(火)は、盛りだくさんな一日だった。
午前10時に、大使館の河合書記官が来訪。10日(火)に大使館での開催を予定している、日英姉妹都市会議の打ち合わせ。ロンドン事務所のローカルスタッフも交えての会議だったので、基本的に英語での会議。でも効率的に進めることができ、会議の具体的イメージが固まった。
11時には、オフィス設計の金安氏来訪先日、時事通信のセミナーで同じテーブルに着いたご縁。今年、ロンドン事務所が事務所の契約更改の年に当たっているので、何かお手伝いできることはありませんかという、営業のお話。
午後12時半からは、商工会議所主催のパーマストン会というセミナー。Canon Streetにある「London Capital Club」で、一橋大学大学院教授の佐山展生氏が「M&A 最新事情と企業価値向上」という演題で講演。佐山氏は、「教授」とは言っても元は三井住友銀行出身で現在もM&A関係のアセットマネジメント会社を経営するバリバリの金融マン。実は僕は、以前地共連資金運用部長時代に、佐山氏の講演を聴いたことがあった。そのときも話の内容が具体的でおもしろかったという記憶があったが、この日の講演も実におもしろかった。聴衆のほとんどは、日本の大手企業のロンドン支社長クラスなので、メインは「企業価値とは何か」「どうやって企業価値を高めるべきか」「買収に値する良い企業はどうやって見分けるのか」といった。もろ経営の話。今の仕事に直接役立つものではないかもしれないが、経済の現場で起きている話というのは、世の中を知る上でとても重要。
4日(水)は、事務所の松野下所長補佐、キルヒナー主任調査員と一緒に、Local Government Association(LGA)の本部にお伺いして、ランチミーティング。ミーティングの主なテーマは、クレアロンドン事務所の20周年記念セミナー開催に際して、LGAにも一肌脱いでもらえないかというお願い。具体的には、セミナー会場としてLGA本部の大会議室をお借りできないか、ということと、LGA幹部をゲストスピーカーでお招きできないか、というのがメイン。
12時5分前にLGAに着くと、玄関ホールに、すでに懇意のSusan Handleyが迎えに来てくれ、会議室に案内してくれた。そこで国際部長のIan Hughes氏とJames Beadle氏が来て、合計6人で、SusanがM&Sで買って来たというお寿司を食べながらミーティング。イギリスのスーパーで売っているお寿司は、正直ちょっとリスキーすぎる感じがして食べたことがなかったが、マークス・アンド・スペンサーのお寿司は、意外にもなかなかいけた。
ミーティングの方も、単に20周年の話だけでなく、今後のロンドン事務所とLGAとの提携のあり方全般から、来春のLGA総会でロンドン事務所が出すブースのアイデア、ロンドン事務所の英国向け機関誌「Myliad Leaves」とLGA国際部の機関誌とのタイアップのアイデアなど具体的な話まで、実に幅広い意見交換ができてありがたかった。
実は、LGAは、今事務総長が会長とうまくいかずに事実上罷免されたりして結構ごたごたして、会員(英国の自治体)の脱会なども噂される大変な状況なのだが、現場にはどうやら関係ないようで、ほぼ2時間近くにわたって、実に和気藹々と楽しく話し合いができた。
同じ日の午後4時には、アバディーン大学の Peter Smart 先生が事務所に来訪。先生とは、まだ僕が着任する前に行われたアバディーンセミナー以来の、うちの事務所とのお付き合い。先生は大変日本通で、現在は関西学院大学と提携して先日も来日されたばかりの上、今年の11月頃には、また来日する予定がおありだとか。昨年11月には、うちの事務所主催のJapan Study Tour にもご参加くださっており、実に良い関係にある。行革全般が研究対象で、なかでも専門がHuman Resourcesということなので、ほんと大事にしたい先生。
事務所で1時間ほど意見交換した後、風間次長、アバディーンセミナーの担当だった静岡県から派遣の竹田所長補佐と4人で会食。会食の時には、仕事の話にとどまらず、日英文化、スコットランドの特色から、政治の話題、プールの話、その他もろもろ、大量におもしろいお話をうかがうことができた。それにしても、竹田さんは、質問がうまく、おもしろい話を引き出す技に長けていると感心。
5日(木)から6日(金)にかけて、今年の秋開催予定のフィンランド領オーランド島でのセミナーの打ち合わせのため、松野下所長補佐、キース調査員と3人で出張。5日はストックホルムに前泊し、6日早朝にオーランドに行き、ミーティングの後、ストックホルム経由で一気にロンドンに帰国という強行軍。ロンドンとの時差が、スウェーデンが1時間、フィンランドが2時間あり、移動距離もそこそこあるので、思ったより結構ハードで、ロンドンに戻ったときにはさすがに疲れた。
オーランドでは、これまでセミナーのオーランド側カウンターパートとして中心となって働いてくれていたオーランド島平和研究所のペトラさんが、旅先での急病のため帰国できなくなり、ミーティングに参加できなくなったという連絡が直前に入ってちょっと不安だったが、代わりに、平和研究所の客員教授でDirectorのSia Splliopoulou Akermark(スプリオプーロウ・アケルマルク)さんがお相手してくれ、全く問題なし。アケルマルクさんは、ギリシア人とスウェーデン人とのハーフで、元々スウェーデンで勉強した後オーランドに渡ってきた方とのことだが、実に精力的で聡明な女性。もちろん英語もぺらぺら。
飛行機(実に久々に乗ったプロペラ機で、小型機とは言えなんと座席が自由席。でも国際便)のオーランド到着が11時だったので、まず会場候補地である施設を見せてもらった後、近所のレストランで、ランチを取りながらミーティング。施設は今年4月にオープン予定というできたてのほやほやの立派な施設で、実にきれいで充実しており文句なし。ホールでのレセプションももちろんできるが、近所にホテルやレストランもあって、全く不自由ない。ちなみにフィンランド領なので、通貨はユーロというのも便利。
オーランドは、北国でありながら、結構日照時間が長く、それがグラファイト(って言っていたと思う)に反射した光が印象的で、また島なので当然水が多くて景色が美しいことなどもあって、芸術家を魅了させる要素が数多くあることから、スウェーデンやフィンランド本国から、結構な数の芸術家達が移り住んできているらしい。そのためか、島は実にきれいで品が良く、離島のハンディキャップを感じさせられるところはまったくなかった。実にうらやましい話。ともあれ、そういうことで、セミナーを開いてもお客様のおもてなしに不自由することは、まったくなさそう。むしろ、ゲストは後でかなりうらやましがられることになるかもしれない。
ランチには、オーランド議会の与党(と言っていたと思う)の有力者の一人のバーバラさんもご一緒していただいたが、どうやら彼女が島内関係方面へのつなぎ役となっていただけるご様子。ペトラさん、アケルマルクさんとも、全く抜け目がない。バーバラさんの英語も全く問題なく(というか、少なくとも僕なんかよりはるかにうまい)、フィンランドに来てミーティングをすることによる不自由さは、何一つ感じなかった。
ランチ後、平和研究所の会議室に場所を移してミーティングの続き。終了したのが3時頃。実は、我々のミーティングの後、今度はロシアからの訪問客とのミーティングもあったようで、平和研究所大忙し。しかもインターナショナルで、本当にすごい。
うちの事務所の3人は、ミーティング後、飛行機の時間まで若干余裕があったので、島を軽く回り、美術館を見て時間を過ごした。3月とはいえ、まだ雪もかなり残っていて寒かったが、町並みは美しく、夏に来たら本当にきれいだろうなと思った。セミナーの本番が今から楽しみ。
7日(土)は、再来週の引っ越しに向けて、荷物の整理に着手。あとは、日曜日ともども、のんびり。
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