ドイツ出張以後の出来事をかいつまんで。
15日(月)は、朝出勤前に、Sloane Square Clinicで理学療法。昨年赴任以来ずっと続いていた背中と肩の痛みも、おおむね気にならないところまで回復。まだ100%とは言えないものの、ここ数ヶ月、特に悪化もしなくなったので、今回でとりあえず治療は終了することにした。
16日(火)は、仕事終了後、高校・大学の9年下の後輩で、今クレディ・スイスのロンドン支店に勤めている棚瀬さんと会う。昨年の灘校ロンドン同窓会で初めて会ったのだけれど、僕のブログを見て僕が英語で苦戦していることを知り、一肌脱ぎましょうかとの申し出から、合ってみることとしたもの。この日は特にレッスンとかはせず、お互いの近況などの雑談や、彼の考えているメソッドなどを聞いたりしただけで、1時間ほどで別れる。でも、かなりおもしろそうだったので、来週から実際にレッスンを受けてみることにした。
17日(水)は、この夏、西堀全日空前支店長の後任として着任された、藤村支店長が事務所にご挨拶に来られる。いつもの皆戸さん、北沢さんとご一緒に。藤村さんは、ロンドンに来られる前は空港対策関係のお仕事もされていたそうで、今国土交通省に出向中の僕の先輩の話や、藤村さんも学齢期のお子様がおられるとのことで、学校選びの話などで盛り上がった。
この日は、仕事終了後、あらかじめ予約してあった、シェークスピア・グローブ座の「ロミオとジュリエット」を見に行った。午後7時半から10時40分過ぎまでの長丁場。「ロミオとジュリエット」は、映画しか見たことがなく、原作はまったく読んだことがなかったので、途中結構卑猥なギャグなどが出てきたのには驚いた。脚色かと思ったら、意外と原作通りらしい。また、ジュリエットはイメージ通りの清楚系の女優さんだったけれど、ロミオは黒人の乗りの良い男優で、こんなのもアリなのかとびっくり。やはり実際に見てみると、いろいろおもしろい。長くてちょっと疲れたけれど。
18日(木)は、今月いっぱいで帰国となる、千葉県から派遣の風間次長と東京都から派遣の石田参事の送別会。やや早めではあるけれど、所員ができるだけ多く揃う日ということで、この日になった。しかし、それにもかかわらず、後から別件が入ってきて、結局山口次長とキルヒナーさんが早めにおいとま、僕も2次会のパブを乾杯程度で次の場へ。
で、その「次の場」というのが、企業人材育成をやっているHey Groupという企業からのお誘いのセミナー。山口次長とキルヒナーさんとは、セミナーから出席し、僕は終了後のレセプションから出席。ピカデリーのRoyal Academyが会場で、アマチュア芸術展の封切りを鑑賞しながらレセプションというのがコンセプトらしく、いろいろな現代作品を鑑賞しながら、立食で歓談。お目当てというか、送別会を切り上げてそもそもわざわざここに来ることとしたのは、先日所員がワークプレイスメントでお世話になった、Tambridge Council の Chief Executive である Stephan Weigel氏に誘われたから。広い会場での立食で、ちゃんと会えるのかとやや心配だったが、無事美人の娘さん連れのWeigel氏とお会いすることができた。日本と中国とワインに造形が深く、アンティーク収集が趣味とのことで、かなりの趣味人。お話ししたのは短い時間だったけれど、楽しかった。
20日(土)は、あらかじめチケットを購入していた Taste of London に行ってみた。これは、ロンドンで年1回行われる「食の祭典」だそうで、妻がロンドン在住の人のブログで見つけてきて勧めてくれたもの。天気が良かったこともあって、かなりの人手。僕は、タイカレーその他いくつか食べてみたけれど、事前の情報収集不足のためか、残念ながら「これぞ」というものには今ひとつ巡り会えなかった。むしろ、お金を出して食べたものより、無料で振る舞われていた、フランスパンにパテを塗ったカナッペのようなものを、白ワインと一緒に食べたのが一番おいしかったくらい。来年は、もうちょっとちゃんと調べてから、妻と一緒に来よう。
21日(日)は、Jet Walk。チャタム・ハウスに研究のため1年間来られていた、先輩で今環境省の審議官をされている鷺坂さんが、今回が最後のご参加だと言うことで僕も参加することに。今回は、EssexのWakes ColneからBuresまでの11.2mile(18km)の行程。今まで参加した中で、一番長い。朝8時半にリバプール・ストリート駅集合。今回の参加者は11人とやや多め。男女半々でバランスがいいのはいつもの通り。すでに知った顔の人が多かった。当日の写真は、僕の公開Webアルバムの中の「20090621_JetWalk_Essex」にアップロードしておいたけれど、今回は、GPS Trackerを装備し、写真を撮った位置情報をすべて写真そのものに埋め込んだので、歩いたルートが一目瞭然。結構おもしろいアルバムとなった。
天気が良く、道も平らで歩きやすく、気持ちよかったけれど、何しろ距離が長かったので、結構疲れた。
22日(月)は、事務所の休日(ロンドンが日本より祝日が少ないため、日本の勤務日数を合わせるために、事務所独自で休日と定めている日)だったので、出勤はしなかったけれど、たまたまこの日に開催された Japan Fixed Income Seminar に誘われたため、それを聞きに行ってきた。朝9時スタートで、大使館近くのPark Lane Hotelが会場。まず、9時半頃からの日本国債のついての財務省国債課長からのプレゼント、その後のディスカッションを聞いた。国債課長は、非常に英語の堪能な人で、流暢な英語でプレゼンをしていたし、ディスカッションもまったく淀むところなし。しかし、日本国債も投資家の多様化を図ろうとしているというのはよくわかるとしても、ヘッジファンドにまで買ってもらいたいと思っていると言っていたのは、言葉の綾なのか本気なのかわからないけど、結構驚いた。僕なら、やはりレバレッジを掛けずに現物をちゃんと比較的長期に保有してくれる、年金や生保に買ってもらう方が、よほどありがたいと思うけれど。
で、その後はいったん家に帰って家周りのことをし、午後1時から再びセミナーに参加。おめあての「地方債」のプレゼン。地方公共団体金融機構、東京都、千葉県からのプレゼンがあった。しっかり資料を用意して、がんばってプレゼンしていた。会場に集まっている人の数は、多少少なめかな、とも思ったけれど、一所懸命聞きながらメモを取っている聴衆の人もいたので、悪くはなかったと思う。まあ、このクレジットクランチで円高局面では、なかなかちょっとくらいIRをやっても直接の結果には結びつきにくいだろうけれど、ともあれ金融商品は投資家に知ってもらわなければ買ってもらえない。それには日頃からの地道な努力が必要。こういう催しは、継続すればとても意義のあることだと思う。
23日(火)は、その昨日セミナーでプレゼンを行った、東京都の関公債課長さん、静岡県の鈴木財務室参事さんが、相次いで来訪。東京都の関課長さんは、クレアの運営にも深くコミットしていただいている方で、率直な意見交換をさせていただくことができた。また、鈴木参事さんとは、昨日のセミナーの話のほか、来る静岡県知事選の話などが話題となった。
その日の仕事後は、先週約束していた、棚瀬さんの英会話レッスン初回。緊張しながらのスタートだったけれど、これまでに受けてきたレッスンとはかなり違い、ユニークで実践的。これはかなり良さそう。しかし、Transport for Londonに電話して、Finchley Road から Big Benまでの行き方を聞くのに、Big Benをなかなか聞き取ってもらうことができずに難儀したし、Quick Response Method も、結構難しい。当然ながら、一朝一夕に改善するものではない。が、ともあれおもしろかった。次回は、再来週きてもらうことに。
24日(水)は、月例の事務所勉強会「スピーカーシリーズ」。この日の講師は、昨年四日市市、亀山市、京都市訪問をアレンジしてあげた、コミュニティ・地方自治省職員のJenifer Ashbey さん。彼女は、ノーフォーク基金のお金で、他の5人のさまざまな出自のメンバーと一緒に、世界6カ国の都市を巡り、都市開発についての比較研究を行っており、今回は、その成果の一部をかいつまんでお話ししていただいた。
25日(木)は、午前中休暇を取り、明日日本に帰国する風間次長から、自動車の引き渡しを受けた。実はその自動車は修理に出されていて、この日の朝10時に修理業者が我が家に直接持ってきてくれることになっていたのだけれど、待てど暮らせどやってこない。11時に風間次長がしびれを切らして電話すると、「今出たところ」。結局11時半過ぎにようやくやってきて、無事引き継ぎを終わらせることができた。まったくヨーロッパ的。昼は、事務所に寄った後、有志でイングリッシュ・パブで次長の送別昼食会。
その日、夜7時からは、ハイド・パーク東のHilton on Park Laneホテルで、「The MJ 2009 Achievement Awards」に出席。これは、Municipal Journal誌という地方公共団体向け専門機関誌が主催で、毎年その年の評価の高かった地方公共団体の表彰を行うもの。ただ、日本の「表彰式」とは全く異なり、日本で言えば「レコード大賞」みたいな、あるいは映画の「アカデミー賞」みたいな、一種のエンターテイメントショー。これにはかなりのカルチャーショックだった。
そもそも、レセプションに出席するためのドレスコードがタキシードで、僕は持っていなかったので、貸衣装屋に行って蝶ネクタイなどと一緒に借りて来なければならなかったところからして普通ではない。で、仕事後に着慣れないタキシードに蝶ネクタイ姿になってホテルまで行き(この格好で公共バスに乗って行ったのが、ちょっと情けないところ)、ホールでウェルカム・レセプション。誰か知り合いの自治体の人でも来ていないかと見て回ってみたけれど、誰も見あたらない。人数が多すぎて、探せない。結局かなり寂しい30分間を、シャンペンをすすりながら過ごした。
これでは、式の間の食事中も、結構厳しいものがあるかと覚悟していたら、ディナーの席に着いてみると、隣は先日Royal Academyでお会いした、Tambridge CouncilのWeigel氏。これには本当にほっとした。また、反対側に座っていた、自治体向けコンサルタントのCrispin Derby氏も気さくな方で、気兼ねなくお話をすることができ、存外と楽しい会になった。
会には、受賞にノミネートされた各自治体のプロジェクトの担当者のほか、各自治体からリーダーやエグゼクティブクラスが大勢集まり、男性も女性もフォーマルな装いでありながら、実に賑やかで乗りが良く、非常に華やかな式典だった。
夕食後、受賞自治体の発表と表彰セレモニーがあり、グランプリの発表があって終わったのが、すでに夜の11時20分ころ。実は、その後もディスコなどが午前2時まであったらしいのだが、僕はさすがに疲れていたのでそのまま引き上げさせていただいた。日本人は、僕以外には誰一人としていなかったこともあって、気疲れも少し。
しかし、非常に感銘を受けた。日本にもこういう催しがあればいいのに、とちょっとうらやましい気持ちにもなった。企画するのは至難の業だろうけれど。
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