2009年7月5日日曜日

6月29日~7月5日

この間も盛りだくさんだったけれど、ごくかいつまんで、主なものだけ。

6月30日(火)から7月2日(木)にかけて、Yorkshire 地方の Harrogate市で Lacal Goverment Association の年次総会が行われた。うちの事務所は、この年次総会に毎年ブースを出してきたけれど、今年は「Bronz Sponcer」として、ブースのほか、各種掲示やパンフレットなどに、事務所のロゴも出してもらうことにして、露出を高めることに。また、ブースも、昨年はJNTO(政府観光局)からもらってきた日本の自治体の観光パンフレットを配ったり、観光PR用DVDを流したりといった企画で、今ひとつ「クレアらしさ」に欠けていたという反省の元、今年は、日本の自治体のベスト・プラクティスを紹介することを企画し、所員、特にローカルスタッフのJesonや東京都派遣の木村所長補佐に、かなりがんばってもらった。
ベストプラクティスとしては、「環境」「高齢者福祉」「産業振興」をテーマにそれぞれ2~3地域の施策を取り上げたけれど、その中では、リサイクル(徳島県上勝村)、風力発電(青森県)、介護セラピー用ロボット「ぱろ」(茨城県、富山県)などが注目を浴びた。
特に、富山県に「ぱろ」について問い合わせた際、業者から実物を無料でお借りすることができることに話がつき、ブースに本物を用意することができたため、効果は絶大。大いにPRとなった。
僕自身は、30日と7月1日の2日間だけの滞在で、カンファレンスのうち、前駐米大使の講演、自治体の市民対応の実践演習を役者を使ってロールプレイとして行うワークショップ、学校の国際交流の実践例を紹介するワークショップなどを聴講。他の仕事の関係もあって、昨年行ったSolaceカンファレンスに比べて滞在期間が短かかったのがやや残念だったけれど、今年のJapan Day Seminarに向けての関係者とのお話や、来年に向けての課題やアイデアなども得られて、それなりに有意義だったと思う。ちなみに、Harrogateは、想像以上に垢抜けて良い街だった。イギリスの田舎は、やはり侮りがたい。

1日(水)は、Harrogateから帰ってきたその足で、そのまま午後6時半から大使館で行われた、「自衛隊の日」の記念式典に参加。立食パーティだったけれど、さすがに疲れた。大使館の大塚書記官、JNTOの吉田所長ご夫妻など、馴染みの方とお話ししたほか、吉田ご夫妻と一緒におられた、カーディフに長年在住し、今も日本人学校などおお世話をされておられるという松井みどりさんとお会いし、ウェールズの良さについていろいろなお話を聞くことができたのは、おもしろかった。

2日(木)は、朝10時半から、JET Programme の出国前オリエンテーションに、小川所長補佐と一緒に出席。会場は Queen Mary University of London の People's Palaceという名前の建物内の教室。この日はよく晴れて非常に暑い日だった上、会場はJETに参加する若者達の熱気でむんむん。実に暑かった。
会を主催してくれている EJEF の岩永照子社長の司会で会が始まり、まずは大使館の岡庭公使のご挨拶。公使は帰国子女で海外生活も長かったとのことで、さすがに英語は堪能。原稿なしで、ジョークも交え、おもしろおかしくJETたちの日本生活での注意点などをお話しされ、JETたちもリラックスして聞いているのがよく見えた。次が、エディンバラ総領事館から井上書記官の挨拶。こちらは、あらかじめ用意してきた原稿を読む挨拶だったけれど、やはりジョークも入れており、なかなかのもの。それに引き替え、その後に続いた僕の挨拶は、まず原稿からして型どおりのおもしろみのないものだったし、しかもそれを単に読むのさえ緊張してかなり早口になってしまい、散々な出来。猛反省。僕に続いた小川所長補佐も、英語は本来うまいんだけれど、やはり初めて大勢の前で話をするというので、緊張してか早口になってしまっていた。課題は多い。
続いて英国外務省の担当からの挨拶だけれど、これは挨拶というより、日本に行ってトラブルに遭った際に具体的にどのような行動を取るべきか、また、そもそもトラブルを未然に防ぐためにどのような準備をしていくかといった非常に実践的な内容に関するプレゼン。しかも、パワーポイントのスライドに加えて、非常に凝った作りのショートビデオ付き。恐れ入った。
しかし、わかりやすい話をするためには、パワーポイントという手があるかと、勉強になった。
そして、British Councilの方から、英国と日本との学校交流についてのお話があり、その後、今年のJET達のお世話をしてくれるミキトラベルからの話が始まるところで、岡庭公使と僕は、先に退席させていただいた。

3日(金)は、12時から商工会議所主催のパーマストン会。この日の講師は、海老原紳英国大使ということで、いつもより集まりが良かったような気がする。場所は、シティにある London Capital Club。日本外交が現在直面している問題について、単に英国との関係にとどまらず、北朝鮮問題や中国問題、アメリカ問題などまで、率直に語っていただき、大変勉強になった。やはり、英国大使までされるほどの人の話は、説得力が断然違う。また、大使の話意外にも、その前に昼食時間中に、たまたま隣の席になったAlpine Electronics of UK社長(欧州副支配人)の井上氏とのお話も勉強になった。クレアが最近大阪府の橋下知事などから批判され、厳しい立場に置かれていることに関して、単にやっていることが「国際交流」というものであれば、今や民間でもできるし現に役所よりはるかにやっているのだから、そのような機能を担うものは、いらない。しかし、「外交」は昔から、そして将来も「国」の仕事でアリ続けると思うし、外交の中の「ソフト外交」になると官民の境界はあいまいになるけれども、やはり「国」なり地方も含めた「政府」としての役割はあり得るのだろう。要は、やっている仕事に、民間ではできない「外交」であるのだと胸を張って言える中身があるのかどうかということだ。というご意見。この日の講演テーマにも関係しており、胸に刺さった。JET Programmeも含め、まさにそういうものをやってきたし、これからもやり続けるのだという気概はあるものの、現実にはそうでない仕事も多いような気もする。いろいろ考えさせられた。

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