2009年4月27日月曜日

時事通信トップセミナーのダグラス・ゴデン氏講演と東大フォーラム

4月27日(月)は、朝定例のミーティング。昨日夕刻、ようやくロンドンに到着した群馬県派遣の小川所長補佐の挨拶があった。これで事務所も振るメンバーがそろったが、ほんとうに「ようやく」といった感じ。
午後12時半から、Hotel Claridge's で時事通信のトップセミナーに参加。この日の講演は、CBI(Confederation of British Industry、イギリス産業連盟)経済・財政グループ長のダグラス・ゴデン氏で、演題は「どうなる英国と欧州の経済」。講演前のレセプションでは、主催者である時事通信の櫻井支局長やロンドン東京プロパティの菊地会長などと最近のPFIの状況などについてお話したほか、みずほコーポレーション銀行欧州地域統括の若生さん、欧州営業第一部次長の石原さん、読売新聞ロンドン支局の是枝記者、ランチの席では、中日新聞ロンドン特派員の松井記者などと名刺交換。ランチの席で隣り合ったのが昨年末に事務所でお会いした日本航空のウォルシュ裕子さんと、今回初めてお会いしたSumitomo Corporation Europe Groupの法務部門にお勤めのGraham D. Holman弁護士。ホルマンさんは、奥様がロンドンで知り合った大阪出身の日本人で、ご自身も7年間日本に住んでいたことがあるとのことで、日本語ぺらぺら。気軽にお話できた。
ゴデン氏の講演は、パワーポイントのスライドを印刷したグラフを使いながら、英国をはじめ、欧州全般の財政の危機的状況について解説してくれたもの。淡々とした話し振りながらも、かなり悲観的な内容だった。講演後の質疑では、英国がユーロ圏に入ることはないのかとの質問に、欧州統合に慎重な政治状況のほか、主体的な利率調整ができなくなる経済政策上のデメリットが大きいという認識が一般的なので、少なくともここ10年から15年の間はないだろうと明確に否定されていたことや、年収15万ポンド以上の高所得者に対する最高税率50%の引き上げは、高所得者の国外移転を促すのでサステイナブルではないのではないかとの質問に強く同意されていたことなどが印象に残った。
そして午後7時からは、The Royal Society で行われた「Todai Forum 2009 in the UK」のレセプションに出席。これは、東京大学が、日本学術振興会のサポートの下、City University London、Imperial College London、Manchester Metropolitan University、University of Cambridge との共催で行っているフォーラムで、今回で7回目を数えるとか。今回は「Human Security and Business」「Harmonization of nuclear utilization with society」「Disability and Economy」の3つをテーマに、ロンドンとマンチェスターを会場に5日間開催されるフォーラムで、今日がその初日。わずか5日間の間に遠く離れた2都市、4大学で連続してセミナーを開催することから、ロジは相当大変のようで、JSPSの方が冗談めかして「同時多発セミナー」と称されていた。
レセプションの会場のThe Royal Societyに7時ちょうどに行ったものの、最初知り合いの顔がほとんど見あたらず、戸惑ったが、まもなく知り合い発見。JNTOの吉田所長。彼も知り合いが見つからずに困っていた様子で、お互い相手を見つけてほっとする。二人で今回の主催者でもあるJSPSの古川所長に挨拶に行き、そこで UK Heigher Education(英国大学協会のようなものらしい)の Head of International の Dr. Shaun Curtis 氏をご紹介いただき、しばらく4人で懇談。しばらくすると、主催者挨拶が始まった。最初が東京大学の濱田純一総長で、今回のフォーラムの趣旨を述べられる。次が大使館の西ヶ廣特命全権公使。ご自身が日本にいらしたとき、外務省から学術会議に出向されていたご経験を交え、原稿なしで朗々とスピーチ。さすが。今回はシェークスピアの話はないのかな、と思っていたら、やっぱり最後に出てきた。この日はマクベスネタ。今回のフォーラムのテーマに選ばれているものは、人文科学と自然科学との融合テーマで、実際的なものと考えるが、イギリス人は実際的な国民なのでいい意見交換ができるだろう、実際的といえばシェークスピアの哲学も実際的であって…と、結構強引に(?)話を持って行っておられた。でも、マクベスとの関係は、正直よくわからなかった。
そして挨拶の最後がJSPSの古川所長。日本で景気対策関連の予算措置のため、JSPSの予算が例年の2倍に増えたので、大いにご活用いただきたいとのご挨拶に、会場がどよめく。挨拶後に司会が「いつでも使う用意はありますよ」とコメントして、大うけだった。
その後、再び懇談に。ビュッフェの食事を取った後、大使館の文部科学省アタッシェである松永一等書記官を見つけて、吉田所長と3人で話。その後、吉田所長と一緒に濱田総長にご挨拶に行き、8時20分頃引き上げた。

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