また、先週1週間を振り返って。
4月20日(月)は、朝、定例のミーティング。小川所長補佐のビザについては、まだ発行されておらず、見通しも不明といったちょっと暗い話題。
午後2時から、風間次長、宮本所長補佐と3人でJETRO訪問。5月18日開催予定のグラスゴーセミナーの下打ち合わせ。舟木所長、江口次長、中尾さんのご対応で、最初30分ほど、所長室で宮本さんのご紹介を兼ねてのフリートーキング。僕はその後の用事があったので先に引き上げ、風間次長、宮本さんが、江口次長、中尾さんと事務的な打ち合わせ。
午後4時には、バーミンガム大学 INLOGOV (Institute of Local Government Studies、地方自治研修所)の Chris Game 先生来訪。キルヒナーさんとで応対。先生は、当事務所とは古くからのお付き合いで、調査、意見交換、研修等でいろいろお世話になっている方なのだが、実は僕自身はお会いするのがこれが始めて。英国の地方自治の一般的状況の話から、バーミンガム市の地域再生手法、バーミンガムエリアでの都市連携の難しさなどの具体的なテーマまで、いろいろお話を聞かせていただいた。僕が残念ながらまだバーミンガム市には行っていないと申し上げると、近いうちにぜひ来て見てみるようにと強いお誘い。必ず行きますと堅くお約束してお別れした。
22日(水)は、事務所の月例勉強会「スピーカーシリーズ」。今回の講師は、環境省審議官で現在チャタム・ハウスに研究派遣中の鷺坂審議官。「飲み友達」と言ってしまうと大先輩には失礼な言い方で恐縮だけれど、こちらに来て以来、そういうお付き合いをさせていただいているので、講師のお願いもしやすかった。この日のテーマは「地球温暖化問題について」。「不都合な真実」に出てきたような温暖化による影響に関する具体的事例から始まって、温暖化のメカニズム、IPCCの果たした役割、京都議定書以来の国際交渉の推移、洞爺湖サミットでの議論、セクター別アプローチによる打開提案、日本の役割、長期目標、排出権取引、日本の国内対策、英国の国内対策等、短い時間にたっぷりと情報を詰め込んだご講演をいただいた。現在一番ホットな話題が、実にわかりやすく概観できてラッキーだった。
また、講演前には、今回初参加になる同志社大学政策学部からケンブリッジ大学に派遣中の田中宏樹教授(国際公共政策)とも、20分ほど挨拶を兼ねて所長室で懇談。政策効果について、計量経済的手法での実証研修に取り組んでおられるとのこと。講演でも積極的に質問をされていた。
23日(木)は、午後2時に国立スポーツ科学センター(JISS、Japan Institute of Sports Sciences)、ナショナルトレーニングセンターの高橋運営調整役が、同じくJISSロンドン事務所の佐野氏とともに来訪。高橋氏は、今度ロンドン事務所の所長として赴任予定で、下見のための来英の機会に当事務所に表敬されたもの。現在、JISSの事務所はユーストンにあるJSPS(学術振興会)の事務所に間借りしているところだけれど、近くに物件を手配できたので、近く新事務所を構えることになるとのこと。でも、ゼロからの立ち上げであり、まったくの手探り状態なので、密接な情報交換をお願いしたいとのこと。ブログにはちょっと載せにくいような、アマチュアスポーツ界の裏話的お話もいただき、勉強になった。
その日の夜7時からは、ロンドンで長く事業をされておられる日本人の方の主催によるワインパーティに出席。時事通信社のセミナーで、隣の席に座ったのがご縁でお誘いいただいたもの。ただ、このパーティは月例で催されているようなのだが、なかなかスケジュールが合わず、4回目のお誘いでようやく出席することができた。
ワイン自体ももちろんおいしかったが、集まったメンバーとのお話がまた楽しい。自分で「きちがい」とおっしゃるほどのワイン通のJFEヨーロッパの小島さん、フジサンケイ・コミュニケーション・インタナショナルの青田所長や木野さん、国際交流基金の日本語教師の宇田川さん、主婦で1児の母親でソムリエの渡辺さんなど、ワインの話ばかりでなく、なぜかサッカーの話まで広がって、実に楽しいひとときを過ごすことができた。ぜひまた参加したい。
24日(金)は、午前10時に日本学術振興会(JSPS)ロンドン研究連絡センター(要するにロンドン事務所)から、植村アドバイザー、金子国際協力員、寺澤国際協力員が来訪。植村さんは文部科学省から、金子さんは福岡教育大学から、寺澤さんは長岡技術大学から、この4月から1年間の予定で派遣されてこられたとのこと。JSPSの古川所長とは着任以来のお付き合いで、非常に親しくお付き合いいただいているところだけれど、共同事業などで、今後より一層お付き合いを深めていきましょうねと約束。
25日(土)は、午後7時半から、Royal Festival Hallのコンサートに行ってきた、Vladimir Jurowski指揮、Martin Helmchenピアノ、London Philharmonic Orchestraの演奏で、曲は第1部がメンデルスゾーンの「組曲 夏の夜の夢」とショスタコヴィッチの「ピアノ協奏曲第2番」、第2部がマーラーの「交響曲第1番」。
僕は、クラシックはワインと一緒で、好きだけれどまったく知識はなく、ただ単純に楽しむだけで、まったく批評はできない。そもそも、かの有名な「結婚行進曲」が「組曲 夏の夜の夢」の一部であったことすら、今回初めて知ったくらい。この日の演奏は、実はスローな曲調の時には寝てしまいそうになったこともあったけれど、いずれもラストが豪快でカタルシスが味わえるもので楽しかった。
こんな演奏が、23日にぶらっとネットで予約して、何の苦労もなく最前列の席を28ポンドで確保できて聞けてしまうのだから、ロンドンはとてつもなく恵まれている。というか、なぜ日本ではこれくらい気軽に演奏を楽しめるような環境ができないのか、考えさせられてしまう。先日のJISSから来られた人の話でも、日本の芸術家や演奏家の卵達は、芸大や音大を出ても就職先が見つからないので、海外に行って活路を見出さざるを得ない、それで日本人の芸術家が海外で活躍するケースが、アマチュアスポーツと比べてとても多いのだという話を聞いたばかり。日本の各地には立派なコンサートホールも数多くあるけれど、地方自治体の資金難で運営に困っているところばかりだというのに、どうしたものなのか。今超高齢化が進行中で、成熟社会に向かってまっしぐらの日本にとって、非常に大きな課題だと思った。
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