2010年3月18日木曜日

3月2日、3日オランダ出張

3月2日(火)から3日(水)にかけて、木村さん(東京)、松野下さん(徳島)、キースと一緒にオランダ出張。目的は、木村さん、松野下さんのクレアレポートの補充調査と、オランダ自治体協議会(VNG)との顔のつなぎ直し。 事務所としてここしばらくVNGへの訪問をしておらず、連絡窓口なども切れてしまっていたので、直接顔を合わせて今後の連携のとっかかりを作っておきたいと考え、クレアレポート調査にひっかけて行くこととしたもの。VNGは、首都アムステルダムではなく、デン・ハーグに所在していたため、2日は午前8時10分ヒースロー発のBMI機でスキポール空港に到着後、電車でそのままデン・ハーグに向かった。なお、BMIは、これまでベルファストに行くときに乗ったことがあっただけだが、国際線に乗るとエコノミーでもヒースロー空港でのラウンジを使うことができ、ここで簡単な朝食も無料で取ることができる。機内食は有料なのだけに、これはお値打ち。デン・ハーグ駅に着いたところで、荷物をコインロッカーに預け、歩いて市内観光。時間もあまりなかったので、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を収蔵しているマウリッハイス美術館に絞る。日本語ガイドもあって、お目当てのフェルメールの3点も見ることができ、かなり楽しめた。1時間弱があっという間。終了後、近くのサブウェイで急いで昼食をすませ、午後1時半にVNGを訪問。
VNGは非常に立派なビル。スウェーデンのSKLやデンマークのKLもきれいな施設だったけれど、いい勝負。受付で手続きを済ませ、ロビーで待っていると案内の人が来て、会議室に案内された。
会議はすべて英語。まず、所長のAnnemiek Wissinkさん(女性)から挨拶があった後、職員部門担当のRogier Stout氏からプレゼンテーション。オランダの自治制度一般の話をしていただいた後、自治体の人事制度や採用、職員能力開発等について幅広くお話しいただいた。オランダの自治体首長はすべて政府任命というところが、日本や英国などとは大きく異なる点だが、職員の流動性が非常に高いというところは英国に似ている。
次に、経済部門担当のJaap Berends氏から、オランダの自治体におけるビジネス支援施策についてのプレゼンテーション。経済刺激策として、公共事業を実施し、施設の改修などを行うというところは日本と変わりないのだが、おもしろいのは財源を使わないでいた分を「貯金」しておくという仕組み。詳しく聞く時間はなかったのだが、日本の「基金」と似たような制度なのかもしれないけれど、それよりもなんとなく「貯金」というニュアンスに感じられ、おもしろそうな制度に思えた。いつかまた機会があれば調べてみたい。ただ、松野下さんのお目当てのBIDについては、アメリカやイギリスの例を参考にして導入を始めたばかりとのことで、特にユニークな情報はなし。
午後3時にデン・ハーグ市役所を訪問する約束だったのに、VNGでの話が終わったのがすでに2時50分。タクシーを呼んでいただいて、急いでハーグ市役所へ。市役所もまた、白を基調とした非常にモダンで美しいビル。入り口の一番わかりやすいところに、今回ヒアリングを申し込んだ ExPat Desk があった。ここは、日本で言えば国際交流課と市民課外国人登録窓口が一体となり、さらにそれを超えて市内に居住する外国人すべてについてのワンストップ・サービスを実施しているセクション。我々に面会してくれた Martijn Kuiper 氏は、ものすごく英語が堪能でエネルギッシュ、かつ、ホスピタリティにあふれた人で、終始圧倒されっぱなしだった。ロンドンやパリに比べ、知名度で劣るハーグに、いかにして国際優良企業や国際的に優れた人材を引きつけるかという戦略について、全力で考え、取り組んでおり、外国人の入国手続きやその後の生活に必要な手続き(銀行口座の開設といった民間部門に属するものまで含めて)に関して徹底的に簡素化とスピードアップをはかっているという説明であった。もちろんすべて英語での対応も可能であり、この窓口で受ける電話の90%までが実際に英語だとのこと。オフィスを見回しても、たしかにオランダ語より英語の表示の方が多いくらいの徹底ぶり。何しろやることが徹底していて、非常に感銘を受けた。ここも、機会があればぜにまた来て勉強したいところ。
この日は、ハーグ市での業務が終わった後、電車でアムステルダムに行き、アムステルダムのホテルに宿泊した。
2日の業務は、以上のように順調に進んだが、3日(水)は、アムステルダム市役所のアポが結局取れないままに終わってしまったため、市内視察。2008年9月に事務所のスピーカーシリーズで、「なぜシティブランディングが必要か」というテーマで、Placebrandsというシンクタンクの所長Sicco van Gelder氏にご後援をいただいたことがあり、その際、モデルとしてアムステルダム市中心部のOverhoeksの紹介があったので、これを見に行くことを企画。しかし、アムステルダム駅周辺の案内をいくら聞いても要領を得ない。「石油関係の工場があった場所にマンション、テナントビル、美術館が作られている。結果、この場所には文化的な生活を送る新しいコミュニティが出現した」という説明にぴたりと当てはまる場所は見つからないどころか、「Overhoeksっていうのは、まだ建設中のビルですよ」と言われてしまう始末。とりあえずそのあたりをバスに乗ったり徒歩で歩いたりしながら見て回った。その後、アムステルダム市役所に行き、ここにもデン・ハーグ市役所のような ExPat窓口があれば、補足説明を聞けるのではないかと思っていろいろ聞いてみたが、どうやらアムステルダムにはExPatに相当するものはない様子。市役所内の表示もオランダ語ばかりで、どこに何があるのかも外国人には全くわからない。アムステルダム行きは、終始当てが外れっぱなしだった。町そのものは、運河が多くて美しく、食事も前日夜に何気なく入ったインドネシア料理がおいしくてよかったのだけれど、仕事面ではあまりうまくいかなかった。オランダに仕事に行くときには、アムステルダムよりハーグの方がよいと認識。

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