2009年7月21日火曜日

7月6日~20日

いろいろなイベントが連続的にあったため、落ち着いたら書こうと思っているうちに、どんどん書くべきことがたまっていくまま時間は過ぎる一方。
とりあえず、あったことだけを記録しておき、もし時間ができれば肉付けする方針で行こう。

6日(月)は、クレア本部に静岡県から派遣中の赤池さんご夫妻が来訪。夏期休暇でフランス・イギリスと回っている。赤池さんは、来年4月からロンドン事務所に勤務予定。その下見も兼ねているとのこと。事務所によってもらい、少し雑談。昼食は、事務所の所長補佐の人たちと。
で、僕自身の昼食は、地共連時代の知人で野村アセットマネジメントUKの社長として最近こちらにこられた渡辺さんとご一緒。電話ではお話していたけれど、再会はかなり久しぶり。一緒にカナダ、アメリカを視察して回った頃の話などで盛り上がった。
夕方、仕事終了後には再度赤池夫妻が事務所に寄ってくれ、有志でパブに繰り出した。

8日(水)は、サイボーズ社来訪。国産のグループウェア会社で、日本ではグループウェアのシェアトップらしい。知らなかった。ウチの事務所でも、Share360 というグループウェアを共用の予定表として利用させていただいており、重宝している。ただ、デザインが今となってはやや古くさいのと、メールの使い勝手が悪いのが弱点で、正直にそう申し上げておいた。

9日(木)は、昼にホテル・ジュメイラで時事通信社トップセミナーに参加。講師は、デービッド・ウォレン駐日英国大使で、演題は「英大使の見る日本の政治と社会」。日本の政治辛みの話もおもしろかったけれど、それよりも大使の父だったか祖父だったかがベラルーシ出身というのには驚いた。イギリスは、そういう人も大使にするんだ。度量が広い。この日昼食時に同席したのは、不動産エージェント「JAC Strattons」 の内田社長とペインクリニック「Dr. 伊藤クリニック」の伊藤いづみさん。内田さんはお父さんが英国教会の神父さんだとかで、不動産の話以外にも教会の話などをいろいろ聞くことができて、こちらも非常におもしろかった。

10日(金)は、宮本所長補佐、キース・ケリー調査員とバーミンガムに出張。バーミンガム市の地域再生事業の視察と、短期研修事業に関するバーミンガム大学との打ち合わせが目的。地域再生事業との視察では、元バーミンガム市役所で開発を担当しており、現在はバーミンガム大学博士となっておられるDr. Jon Bloomfieldさんの案内で、やはりバーミンガム大学のSimon先生ともども街中をたっぷりと歩いて、様々な取り組みをじっくり見させていただいた。中心街を道路中心から歩行者中心にするため、非常にユニークな構造に作り替え、実にモダンな都市に生まれ変わった。一方、まだ工場街が残って汚いところも同時に視察。また、運河も再生前の汚いものと、再生後の美しいものとの両方をみせていただき、その対比に非常に感銘を受けた。バーミンガム大学では、ちょうど卒業式に当たり、単に打ち合わせだけでなく、イギリスの老舗大学の卒業式風景を見ることができたのも、大きな収穫。

13日(月)は、仕事終了後、JETAAロンドン支部との意見交換会。JETAA担当の小川所長補佐、山口次長のほか、新しく事務所に来たばかりの引場参事、神林所長補佐にも参加してもらい、JETAAたちへのお披露目。英会話の練習でもある。UK代表のJosy、ロンドン代表のSharonをはじめ、Stewert、Hugh、Vanessa、Christine、Jesica とみんな元気で楽しい人たちで、大いに盛り上がった。

14日(火)は、仕事終了後に、引場参事、神林所長補佐の事務所歓迎会。事務所で軽食をつまんだ後、パブで一杯。その後、僕の自宅に有志で行って3次会。

15日(水)は、事務所主催の勉強会「スピーカーシリーズ」。今回は、先日グラスゴー大学でのセミナーでお世話になった戸田先生に、講師を務めていただいた。戸田先生は、産経新聞記者としてスタートし、退職後エチオピアの難民救済事業に従事した後、開発経済を学ぶためにグラスゴー大学で勉強し、結局そこにいついて、今はスコットランドのベンチャー企業が国際的に活躍できるための橋渡し役となるプロジェクトをやっているという非常にユニークな経歴の持ち主。期待通り、イギリスの教育事情、大学事情から、雑談では日本の政治談義まで、いろいろおもしろいお話を聞くことができた。

17日(金)は、午後4時半からJETROで広報連絡会議。隔月に行っている、在ロンドン日系機関(主として政府系)による、広報活動の打合会。通常の会議の後、商工会議所の人事異動で新たにメンバーとなられた、花岡事務総長の歓迎会も兼ねての懇親会も行った。

18日(土)は、午後4時の飛行機で家族が来訪。妻の姉とその子供達も、夏休みで一緒に来英。ヒースロー空港は、夏休みのため非常な混雑だった。

19日(日)には、早速市内観光。大英博物館を1時間ほど歩く。ツタンカーメンがいなくなっているのは、初めて知った。下調べもせず行ったため、結局ロゼッタストーンも見つけられず。その後、中華街で昼食。

20日(月)は、日本の海の日に合わせて、事務所休暇を設定したのでお休み。娘の候補学校の一つの見学に行く。学校視察後、リージェント・パークでくつろぐ。いったん帰宅して昼食を取ると、妻と義姉はハロッズへ買い物に。ほんと元気。
かくいう僕も、午後6時からは、大使館でJET出国者レセプションに出席。6時半からの大使の挨拶、JETAAの挨拶、JET出発者代表の挨拶の後、僕が乾杯の音頭。自分で書いた原稿で話したが、まあまあのウケだった。帰国者レセプションの時には、さらにがんばろう。終了後、JETやJETAAたちとパブに繰り出す。午後11時の閉店まで粘って帰宅。

2009年7月5日日曜日

6月29日~7月5日

この間も盛りだくさんだったけれど、ごくかいつまんで、主なものだけ。

6月30日(火)から7月2日(木)にかけて、Yorkshire 地方の Harrogate市で Lacal Goverment Association の年次総会が行われた。うちの事務所は、この年次総会に毎年ブースを出してきたけれど、今年は「Bronz Sponcer」として、ブースのほか、各種掲示やパンフレットなどに、事務所のロゴも出してもらうことにして、露出を高めることに。また、ブースも、昨年はJNTO(政府観光局)からもらってきた日本の自治体の観光パンフレットを配ったり、観光PR用DVDを流したりといった企画で、今ひとつ「クレアらしさ」に欠けていたという反省の元、今年は、日本の自治体のベスト・プラクティスを紹介することを企画し、所員、特にローカルスタッフのJesonや東京都派遣の木村所長補佐に、かなりがんばってもらった。
ベストプラクティスとしては、「環境」「高齢者福祉」「産業振興」をテーマにそれぞれ2~3地域の施策を取り上げたけれど、その中では、リサイクル(徳島県上勝村)、風力発電(青森県)、介護セラピー用ロボット「ぱろ」(茨城県、富山県)などが注目を浴びた。
特に、富山県に「ぱろ」について問い合わせた際、業者から実物を無料でお借りすることができることに話がつき、ブースに本物を用意することができたため、効果は絶大。大いにPRとなった。
僕自身は、30日と7月1日の2日間だけの滞在で、カンファレンスのうち、前駐米大使の講演、自治体の市民対応の実践演習を役者を使ってロールプレイとして行うワークショップ、学校の国際交流の実践例を紹介するワークショップなどを聴講。他の仕事の関係もあって、昨年行ったSolaceカンファレンスに比べて滞在期間が短かかったのがやや残念だったけれど、今年のJapan Day Seminarに向けての関係者とのお話や、来年に向けての課題やアイデアなども得られて、それなりに有意義だったと思う。ちなみに、Harrogateは、想像以上に垢抜けて良い街だった。イギリスの田舎は、やはり侮りがたい。

1日(水)は、Harrogateから帰ってきたその足で、そのまま午後6時半から大使館で行われた、「自衛隊の日」の記念式典に参加。立食パーティだったけれど、さすがに疲れた。大使館の大塚書記官、JNTOの吉田所長ご夫妻など、馴染みの方とお話ししたほか、吉田ご夫妻と一緒におられた、カーディフに長年在住し、今も日本人学校などおお世話をされておられるという松井みどりさんとお会いし、ウェールズの良さについていろいろなお話を聞くことができたのは、おもしろかった。

2日(木)は、朝10時半から、JET Programme の出国前オリエンテーションに、小川所長補佐と一緒に出席。会場は Queen Mary University of London の People's Palaceという名前の建物内の教室。この日はよく晴れて非常に暑い日だった上、会場はJETに参加する若者達の熱気でむんむん。実に暑かった。
会を主催してくれている EJEF の岩永照子社長の司会で会が始まり、まずは大使館の岡庭公使のご挨拶。公使は帰国子女で海外生活も長かったとのことで、さすがに英語は堪能。原稿なしで、ジョークも交え、おもしろおかしくJETたちの日本生活での注意点などをお話しされ、JETたちもリラックスして聞いているのがよく見えた。次が、エディンバラ総領事館から井上書記官の挨拶。こちらは、あらかじめ用意してきた原稿を読む挨拶だったけれど、やはりジョークも入れており、なかなかのもの。それに引き替え、その後に続いた僕の挨拶は、まず原稿からして型どおりのおもしろみのないものだったし、しかもそれを単に読むのさえ緊張してかなり早口になってしまい、散々な出来。猛反省。僕に続いた小川所長補佐も、英語は本来うまいんだけれど、やはり初めて大勢の前で話をするというので、緊張してか早口になってしまっていた。課題は多い。
続いて英国外務省の担当からの挨拶だけれど、これは挨拶というより、日本に行ってトラブルに遭った際に具体的にどのような行動を取るべきか、また、そもそもトラブルを未然に防ぐためにどのような準備をしていくかといった非常に実践的な内容に関するプレゼン。しかも、パワーポイントのスライドに加えて、非常に凝った作りのショートビデオ付き。恐れ入った。
しかし、わかりやすい話をするためには、パワーポイントという手があるかと、勉強になった。
そして、British Councilの方から、英国と日本との学校交流についてのお話があり、その後、今年のJET達のお世話をしてくれるミキトラベルからの話が始まるところで、岡庭公使と僕は、先に退席させていただいた。

3日(金)は、12時から商工会議所主催のパーマストン会。この日の講師は、海老原紳英国大使ということで、いつもより集まりが良かったような気がする。場所は、シティにある London Capital Club。日本外交が現在直面している問題について、単に英国との関係にとどまらず、北朝鮮問題や中国問題、アメリカ問題などまで、率直に語っていただき、大変勉強になった。やはり、英国大使までされるほどの人の話は、説得力が断然違う。また、大使の話意外にも、その前に昼食時間中に、たまたま隣の席になったAlpine Electronics of UK社長(欧州副支配人)の井上氏とのお話も勉強になった。クレアが最近大阪府の橋下知事などから批判され、厳しい立場に置かれていることに関して、単にやっていることが「国際交流」というものであれば、今や民間でもできるし現に役所よりはるかにやっているのだから、そのような機能を担うものは、いらない。しかし、「外交」は昔から、そして将来も「国」の仕事でアリ続けると思うし、外交の中の「ソフト外交」になると官民の境界はあいまいになるけれども、やはり「国」なり地方も含めた「政府」としての役割はあり得るのだろう。要は、やっている仕事に、民間ではできない「外交」であるのだと胸を張って言える中身があるのかどうかということだ。というご意見。この日の講演テーマにも関係しており、胸に刺さった。JET Programmeも含め、まさにそういうものをやってきたし、これからもやり続けるのだという気概はあるものの、現実にはそうでない仕事も多いような気もする。いろいろ考えさせられた。